Contents
今回は『ジョブ理論』著者、クレイトン・M・クリステンセンの本の要約です。
『ジョブ理論』はプログレス(進歩)についての本です。
イノベーションを学ぶための本、言うならば、私たちの生活を
進歩させるために乗り越えていく課題についての本です。
今ご覧になっている方が、起業家や管理職のような立場にあるなら、
イノベーションに取り組んでいるときに「進歩」という言葉は
あまり意識しないかもしれません。
新機能とメリットをいかに組み合わせて
顧客の目を惹きつける完璧な新商品を作るか、或いは、
既存の自社製品の利益率を上げ、競合相手と差別化できるよう
改良し続けることに夢中かもしれません。
きっとあなたは、顧客が求めているものを
わかっているつもりのはずです。
だが、現実には、イノベーションが成功するかどうかは、
一か八かの色合いが強いです。
何が顧客にその行動をとらせたのかを
真に理解していない限り、
イノベーションを起こせる確率は低いです。
だがイノベーションとは本来、
もっと確実に利益をあげられていいはずです。
必要なのは、ものの見方を変えること。
大事なのは、プログレス(進歩)であってプロダクト(商品)ではない。
『ジョブ理論』の要点
1.ジョブ理論とは何か?
2.ジョブを見極めるためには
3.顧客が言わないジョブを聞き取るためには
ここから解説です。
1.ジョブ理論とは何か?
ジョブ理論を説明する前に、説明しなくてはならない理論に
ついてお伝えします。
それは、破壊理論というものです。
破壊理論は、イノベーションに対する競争反応の理論であり、
脅威にうまく対処したいマネージャーにとって
貴重な知見を与えてくれます。
しかし、企業が成長していくために
どんなふうにイノベーションを起こせば良いのかと言う
重要な問いには答えてくれません。
具体的にどこに目をやれば新しい機会が見つかるのか、
或いは、顧客が買いたくなるようなプロダクト・サービスとは何か
を教えてくれるロードマップもありません。
これらの問いに答えられる「片付けるべきジョブ理論」をご説明していきます。
中核は、顧客がなぜ特定のプロダクト・サービスを
生活の中に引き入れるのか、その理由を説明することです。
顧客がプロダクト・サービスを引き入れるのは、
彼らにとって重要なジョブが発生し、
まだ満たされていない時にそれを解決するためです。
このなぜを理解するかどうかが、
あるイノベーションは成功し、
別のイノベーションはそうでないかの分岐点になります。
ジョブとは、「ある特定の状況で人が成し遂げようとする進歩」のことを指します。
2.ジョブを見極めるためには
ジョブは本来複雑なため、顧客を観察して得た知識を
分析しやすいようなデータに落とし込むことは
容易ではありません。
ジョブを見極め、本質を明らかにするためには、
現実にはかなり難しいです。
ジョブから得る知見は、壊れやすい。
なぜならば、数字ではなくストーリーだからです。
ですが、そのジョブを理解する上で、
短編ドキュメンタリー映画風に頭の中で撮影して見ると、
ジョブを理解しやすくなります。
ジョブとは、「ある特定の状況で人が成し遂げようとする進歩」のことを指します。
顧客が言わないジョブを聞き取るためには
ほとんどの企業は、顧客の望むプロダクト・サービスを確実につくるため、
顧客と密接な関係を保ちたいと考えています。
しかし、顧客が自分の要求を正確に漏れなく
表明できることはめったにありません。
顧客の行動の動機は本人が言うよりも複雑であり、
何かを購入するまでの道筋もはるかに入り組んでいる。
だが、本質をつかむことは可能です。
顧客が何を「雇用」するのか、それと同じくらい重要なこととして
何を「解雇」するのかを見れば、そこにストーリーがあります。
このストーリーから、顧客が求める進歩の
機能的、感情的、社会的側面と、
進歩を妨げる障害物を読み取ることができます。
『ジョブ理論』の具体例
1.ジョブ理論とは何か?
ジョブ理論を駆使した上で、
顧客がなぜ特定のプロダクト・サービスを生活の中に
引き入れるのか、その理由を明らかにした事例を紹介します。
【朝のミルクシェイクの事例】
来店客の生活に起きたどんなジョブが彼らを店に向かわせて、
ミルクシェイクを購入させたのかの紹介になります。
前提として、来店客は、たんにプロダクト(ミルクシェイク)を
買っているのではなく、彼らの生活に発生した
具体的なジョブをミルクシェイクを
購入して片付けているのです。
次は、早朝に来店したお客さんがどのような理由で
ミルクシェイクを購入しているのか観察・インタビューしたことで
明らかになったストーリーです。
早朝の来店客の生活に起きたジョブから購入までのストーリー
仕事先まで退屈な運転をしなければならない
→だから気を紛らわせるものが欲しい
→しかも今はまだ腹は空いていないが、あと1、2時間もすれば空くことがわかっている
→ミルクシェイクの購入
2.ジョブを見極めるためには
ジョブを理解する上で、短編ドキュメンタリー映画風に
頭の中で撮影して見ると、ジョブを理解しやすくなります。
この動画に記録されるべき要素
1 その人がなし遂げようとしている進歩は何か。
求めている進歩の機能的、社会的、感情的側面はどのようなものか。
たとえば、「仕事やプライベートでとびきりの第一印象を与える笑顔がほしい」
というジョブは、多くの人の人生で発生する。
あるいは、悩みを抱えるマネジャーは、
「私の管理する営業チームが仕事で成果をあげられるように
装備を充実させ、スタッフ間の混乱を減らしたい」と
言うかもしれない。
2 苦心している状況は何か。誰がいつどこで何をしているときか。
「年に2回歯科医へ通い、歯をきれいに保つために
するべきことはすべてしているのに、思ったほど白くならない」や、
「毎週のように部下の誰かが退職したいと言ってくるので、
勤務時間の半分を採用活動と新人教育に費やしている」
3 進歩をなし遂げるのを阻む障害物は何か。
たとえば、「歯を白くする歯磨き粉をいくつか試したが、
さっぱり効果はなく、誇大広告だった」や、
「営業スタッフのやる気を引き出すため、
ボーナス制度、社外懇親会、トレーニングツールなど、
思いつく手はすべて打った。
なのに何が問題なのか、まだ彼らは打ち明けてくれない」
4 不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか。
ジョブを完全には片づけない商品やサービスに頼っていないか。
複数の商品を継ぎはぎして一時しのぎの解決策をつくっていないか。
たとえば、「家庭でもホワイトニングできる高価なキットを
購入したのはいいが、不恰好なマウスピースを
ひと晩じゅう装着しないといけないうえに、
なんだか歯がひりひりする……」や、
「自分で営業電話をかけなきゃならない――そんな時間はないのに!」
5 その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か。
たとえば、「専門の歯科治療によるホワイトニングを受けたい。
ただし費用も手間もかけたくない」や、
「自分の仕事に役立つのなら、でき合いのツールでもいいから購入したい」
3.顧客が言わないジョブを聞き取るためには
時刻を知らせるだけではなく、カレンダーや
アラームやリマインダー機能もあるモバイルフォンを
見ながら持ち歩くようになったとたん、
腕時計はあちこちで「解雇」されました。
ここでは、顧客が一つのデバイスで複数の機能を求めていることが明らかになります。
まとめ
こちらの本を読んで、サービスの優位性だけで
イノベーションを起こすことは難しいと言うことを学んだ。
同時に、なぜその商品を購入したのかのストーリーまで
分析することが大事なのだと言うことに気づきました。
私自身もジョブ理論を駆使して、自分のビジネスに生かしていきたいと思いました。
皆さんもぜひ手にとって読んで見てください。
【こちらもおすすめ】
【こちらもよく読まれてます】
hi-chann
最新記事 by hi-chann (全て見る)
- 携帯販売の休みってどうなってるの?販売員の休みについて解説 - 2023年3月21日
- 携帯販売でミスしてしまったらどうすればいい?よくあるミスに対処法と予防する方法 - 2023年3月21日
- 携帯販売はストレスが溜まるって本当?5つの理由と改善策を解説 - 2023年3月21日
コメントを残す